消化中適当レビュー【「第十四回文学フリマ」】「絶対移動中vol.11 リアクション」

消化中。徐々にレビューを挙げたい。

まずは、一編を書かせて貰った「絶対移動中vol.11 リアクション」。これはぜひ元ネタを読みたくなる企画。次の文フリで手にはいるのか。覚えてられるのか。それが心配。各作品レビュー、簡単にですが。


・有村行人「マンデリン、または孤独のカフェ」
思わず自分のコーヒー遍歴語りを刺戟される、虚実入り乱れる喫茶店巡りの短編。最後のお店(虚)とそれまでのお店(実)の語りに違いが表れるのが興味深い。


・若葉幹人 「理想の個室」
建築詳しい人が自分の理想の個室を設計。書斎を持ちたい男子は幻想に思いを馳せるしかないのか…。


・霜月みつか シナリオ「誰があの子を殺したの」
あー、芝居って、こういう感じよなぁ。人が喋り出す。そうしないと芝居は始まらない。小説に慣れていると斬新。


・志方尊志「議論好きの音楽家達―有村行人「小さな肩を震わせて」のポリフォニー
うん、すばらしい傑作としか言えない(笑)


・三糸ひかり「認識、解釈、反応、行動」
リアクションの文節・哲学。すべてが格言。


・宵町めめ「丘の上のホテル」
絵の上に文字が載るゲームで言うところの紙芝居型で物語が進む。絵でイメージが作られるのに文字でさらにイメージが作られる不思議な感触を残す。この形でしか表現できない。


・高橋百三「あさやけの彼女」
新たに何も生み出すことはできない、ゆえに、何かを作ることができる。


・秋山真琴「宵闇通事件」
トワイライトシンドローム。怪異ホラーと人間ホラーのあわい。まさかの武座頭市


・蜜蜂いづる「発光」
情報は、物語が進むに従って開示される。つまり目で追っている文字はすべて留保付きで読まざる終えない、そんな体験。


・伊藤鳥子「はみだした人たちの宴」平日の昼間に花見を開催する大人たち。 
文フリの翌日の出社みたいな、現実を見させてくれるぜ。