茗荷谷牛丼哀しい覚え書き
茗荷谷駅前では長らく吉野家・なか卯・牛丼太郎の3店が道路を向かい合わせにしのぎを削っていた。
グループとしては吉野家となか卯・牛丼太郎。つまり道路を挟んでそのような図式になっている。見たところの繁盛ぶりでは吉野家>なか卯>牛丼太郎。
牛丼太郎はあまり他で見ないが、狂牛病時代も黙々と牛丼を出し続け、それでも売れないとなるや納豆丼を売り出しはじめ、折しもテレビ番組で納豆のダイエット効果が喧伝されたことから(あとからデマと分かった)一瞬だけ隆盛を極めた時期があった。低調ながらもしぶとく商売を続けている。
そんな牛丼屋街の茗荷谷に、今年、松屋がオープンした。なか卯の隣に。小さい道を横に挟んで牛丼太郎がある。なか卯と牛丼太郎の間に突如として現れた松屋は定期的に開催する牛丼の安売りと、綺麗な内装とでどんどんと客をとりこんでいった。
結果、今年6月、吉野家がつぶれた。吉野家はしばらく店員不足に悩まされており、昼の混雑時に入り立てほやほやの留学生アルバイターがひとりでカウンターに出て目を回しているという悲惨なこともママあった。時給は1000円を提示しているのにもかかわらず、アルバイターがまったく寄りつかなかったのは、なぜか。外部からは分からない。
そして今日、19時頃になか卯に入ると、自分の他には誰もいない店内。店員は2人の留学生アルバイター。松屋ができてからあからさまに増えた店内のポップや店頭の幟が余計にむなしさを醸し出している。
なか卯も長くないようだ。